ワンダフルライフ
手術中は患者の緊張をほぐすためか医師も結構話しかけてきます。「自分のお店だと、しばらく休業するよう?」「そもそも何でレスリング始めたの?」「へぇー、お子さんと始めたのに自分だけ続けて、大会なんかにも出てるんだ。」「え、今はお子さんサッカー?でお子さんのチームでコーチもしてるの?」「自分でお店持って、レスリング満喫して、お子さんのサッカーのコーチもして。。。」 確かに傍からみればなんててすばらしいんだろ・・・子どもが男の子と女の子、去年、念願の家も建てた・・・なんてすばらしいんだろ。モニターで自分の指にずぶずぶ刺さる銅線を見ながら意識が遠のいてきた、「看護婦さん、意識がなくなりそうなんですけど大丈夫ですか!?」「え!寝ちゃっていい!?」 寝たら死ぬ、本気で思いました。(待てよ、死ぬって走馬灯のように人生を振り返るってよく聞くぞ・・・確かにすばらしい人生だった、だけどまだ・・・)(あぁ、そういえば手術前の同意書にこんなことで死んでしまうことも稀にあるようなこと書いてあったぞ、俺、同意してるんだ・・・)(これ寝ちゃったら死ぬんだきっと・・・)(指の骨折で俺は死ぬのか・・・どこまで小粒だったんだろう・・・)(絶対寝るもんか!) などと考えている間に手術は終了。生きてるってすばらしい。生きてるから痛いんだ、すばらしい。などとまるで南方での戦地から生還したくらいの勢いで生きてる喜びを噛みしめていました。指1本で・・・。
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