ひがん花の赤いじゅうたん・宮内純子
忘れたくても忘れてならない。
言いたくなくても伝えねばならい。。。
実在の主人公、小栗大造さんは憲兵として中国、その後の戦地ビルマでマラリアにかかり最前線を離脱し戦死を免れ、のちに終戦を迎え2年間の収容を経て日本へ帰還しました。
戦地で亡くなった同志、敗戦後に処刑された同志。
高度成長の波に乗り、何もかもが豊かになり、平和が続いた戦後の69年。
生き残った大造さんが犠牲になった仲間たちを忘れることなく、そしてあの戦争を2度と繰り返さぬために72歳から1人ではじめた誓いの行動。後世の人たちに語り継ぐには限度があるけれどこの矢勝川(愛知県半田市)の土手に赤いじゅたんのような花を見た大勢の人たちが自分の想いと誓いを感じてくれることに願いを込めた100万本。。。
著者・宮内純子さんは女学校時代、学徒就労での作業が″風船爆弾″づくりという事実を知る。憎むべき戦争の道具を自らが知らずのうちに加担していたという少女の苦悩。自身の体験をもとに2010年「青い風船」を上梓されました。
戦争の残虐さや悲惨さを伝えるだけではなく戦争が終わり、残った人たちのその後の苦悩や葛藤。戦争を体験した人たちの心の中にはその後もなお様々な形で戦争の苦しみを背負い続けています。そうした苦しみも戦争に含まれることを伝えていかねばいけないのです。
今回の「ひがん花の赤いじゅうたん」を1日でも早く上梓させたい理由が宮内さんにはありました。世の中の流れがあの時代に戻ろうとする前に・・・完成したこの著書を主人公ご本人に必ず見ていただきたい。。。
今だからこそそれぞれがそれぞれの形でより多くの人たちに伝えていかなければいけない。
96歳の小栗大造さんは100万本の彼岸花で、
宮内純子さんはその活動や体験を親しみやすい本にして。。。
そして僕はこうした方々を微力ながら応援させていただくこと・・・。
青い風船(くもん出版) 絵・井上正治 ¥1200+税
ひがん花の赤いじゅうたん(くもん出版) 絵・小坂茂 ¥1300+税
当店でもお求めいただけます。
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