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2014年12月10日 (水)

久之浜と巡礼の年

師走です。さぞ皆様においてはお忙しくお過ごしかと思います。僕は家族からは相当なヒマ人だと思われています。僕にもそれなりの忙しさはあります、ですが理解はしてもらえません。なぜかというと先週にひき続きまたいわき・久之浜にいたからです。。。Sscn3325


怪しまれてもても仕方ありません、確かに恋人に逢いに行くそんな気持ちとなんらかわりありませんから・・・
また海が見たい、ただそれだけです。。。

今回は読みかけの本、村上春樹″色彩をもたない多崎つくると、彼の巡礼の年″を持って家を発ちました。いわきまでは経費削減のため高速バスを利用します。東京駅AM7:30出発、この時間までの東京の動きや空気が大好きです。
いわき到着後は常磐線に乗り換えます。今回は3年間原発事故のため運行不通で6月に再開した広野駅→楢葉町・竜田駅まで向かいました。Sscn3323_2

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避難指示区域ギリギリの竜田駅まではいわきからは7駅、約35分。のどかできれいに澄み渡る海と空、色づきを終えた山々と積み上げられた放射能汚染ゴミの黒い物体を眺めながらの終着。ここから先の立ち入りにはまだまだ長くかかりそうです。
震災で亡くなられた数は宮城、岩手に次いで福島は約1600人、一方で震災関連での死者の数はダントツの1700人超えとなっています。ここ福島においてほとんどの方は震災関連死というより原発事故が原因の関連死です。この土地は今もなおこの脅威の人為災害の被災中なのです。。。

大熊町出身のお客様から前日聞いた話によるとこの先の富岡から見える海が絶景スポットだそうです(現在はホットスポットですが・・・笑えません)。

Sscn3329今週はかしわ餅が有名との情報GETをしていたので久之浜に引き返して真っ先に向かった先は″菓匠・梅月堂″。このお店も津波で流され仮設商店街での営業を検討されたそうですが久之浜駅並びに店舗を借りての営業再開をされたようです。胸躍らせながら辿り着いた入口には何やら張り紙・・・″毎週火曜日は定休日となっております。″ 美容室じゃないんだから。。。

気をとり直し、いざ浜風商店街・からすや食堂へ!
到着がちょうど正午だったこともあり店内はすごい賑わいでした。何やら団体でも訪れて来ていたようです。イベントも行ってました。さておきまずはビールと餃子。Sscn3326


ラジオ福島の大和田新アナウンサー(福島では超有名人!)や久之浜商工会の会頭さんもお食事中のところ「町田から復興応援にわざわざ毎週来てくれてるんですよ!」とおかみさんが気を使ってご紹介くださりました。
仮設オープンから3年3か月、全国からたくさんの応援と励まし、たくさんの取材や報道を受けてきて そして今。。。
おそらく・・・
僕なんかは東京の端っこから来たカッコつけたいつもの偽善者だと思われていたと思います。大抵どこに行ってもそう見えるし、自分でもそう見えなくもないし。。。それはそれでいいとも思っています。

復興の応援にわざわざ来たわけではないし久之浜の観光に貢献しようという気持ちも毛頭ないです。いわきが好きで久之浜に来たらこの街と海がもっと好きになってしまった、この商店街で元気をもらい海を見て心を癒す。スーパー銭湯やマッサージに通うよりもずっとリフレシュできるから。今もこれからも大義という石を背負う気は全くありません、自分が気持ちいいことだけをしたいだけ、そしてここにいるだけです。

僕の仕事は火曜定休なので火曜日にしか足を運べません。菓匠・梅月堂が火曜日でお休みだったお話を旦那さんにすると「あそこのかしわ餅、5月になると期間限定で白あんになるんだけどそれがまたうまいんだよね!」
でも火曜休みだから永遠に買えないね!!」 て そんな笑いながら・・・

絶対5月は定休ずらして買いに来る!!心に叫び

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駄菓子あかもの屋で買ったチョコレートの当たり券、ちゃんと換えてきてねと娘より厳重に指示されここまで参りました。
帰りのバスでの自分へのビールのおつまみ購入もぬかりありません。

そして

なんといっても愛しの海へ
胸が高鳴ります。

先週とは異なる穏やかな波、まるで2回目にあった犬のように自分を受け入れてくれているような・・・



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何もかも津波に流された荒地にぽつんとある鳥居、復興を祈願して作られたものだと思っていました。津波も火災も唯一免れて残っていたと旦那さんからうかがいました、秋義神社というそうです。今日はここに呼ばれた気がします。

町田にたどり着き、読みかけの本を完読してから家路に戻りました。
村上春樹氏にはまたもやられました。

多崎つくると同じく僕にとっても2014年、巡礼の年が間もなく終わろうとしています。

 

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