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2017年11月22日 (水)

浜風ルネサンス

こうして好きな街に降り立ち、おもいっきり息を吸い込み街の匂いを感じること。
あの時はこんなことすらできない気がしていました。
震災後、小さな呼吸をしていた理由は正直、放射線量が怖かったからです。。。

Sscn6239_2Sscn6231_2今回は全店撤去された"浜風商店街"跡地、その場所のある久之浜第一小学校、10月に新規オープンした理髪店スガハラさん。そんなこんなを確かめたかったです。
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小学校では子供たちが元気に体育の授業をしていました。
仮設商店街は蛻となっていましたがそこに残っているものはそれぞれの前に向かう再生とそれを応援してくれた日本中のパワーが集約したエネルギーの軌跡で満ちていました。
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外壁に書かれた竹原ピストルさんのメッセージ。通常、著名人の方は店内に書き込みするのですが、からすや食堂ではずっと現場の作業員の方だと思ってスルーしていたそうです。
竹原さん、紅白歌合戦出場おめでとうございます。Sscn6238小さなお店ですがスガハラ理容店もちゃんとオープンしてました。
71歳ですべてを失い、仮設営業終了後に引退するつもりでいました。
77歳からの再スタートを踏み切りました。この街では駅から海に向かってを"街"と呼びます。
街側ではないこの場所では日中の商店街の交流は仮設店舗時代のようにはありません。
「こんどは夫婦2人で1日中いねっかなんねぇからね。」
いやいやなんの素敵なこと、僕にとって見習うべきことばかり、これからもスガハラ先輩にはご指南いただきに参ります!Sscn6233今回一番大事な目的は"稲荷神社"にお礼参りすることでした。
語りきれないたくさんの力をいただき感謝の報告に参りました。

この場所を最初に祀った方々はどんな神様をイメージしていたのでしょうか・・・?
大津波にも流されなかった海岸沿いの神社。
この土地に暮らすそれぞれの願い、喜び、悲しみや犠牲、それぞれを攪拌し長い年月の中で人それぞれの更なる偶像となり、きっと人によって異なる神様が見えているものだと思います。

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昨日は12月の寒さと言いながらもここに来ると不思議と寒くありません。
海が好きなんです、そう言って問いかけられるのは「スキューバ?」「サーフィン?」「海釣り?」
波は怖いし、水は冷たいし、泳ぐのは疲れるし、
ただ見ているだけの海が好きななのです。Sscn6241
駅の待合で地元の中年女性が柏から来られているというご夫婦にお話ししていました。
行方不明の知り合いのおばさんは1回目の津波で自宅にバックを探しに戻り、30分後の2回目の津波にさらわれてしまったらしいです。「海外さ行きたい行きたい言ってたっけ波に乗って今はハワイさあたりにいるんだっぺさみんなでそれはそれでいいんでないかってことにしてるんだっけか。」
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街は賑やかで明るく、なにより活気に満ちていました。
願いはしていましたが正直、ここまでの再生は予測しておりませんでした。
未来など予測はできないものだと思っています。
予測はできなくても想いは想っていく方向に向かっていくものだということ、そうすることでやがては必然になるとということ 久ノ浜は教えてくれます。



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