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2019年5月29日 (水)

令和元年、久之浜にて。

「ひさしぶりでねぇの。」
久之浜へは今年の1月にひっそりと秋葉神社にお参りに訪れただけで浜風商店街の方々とお会いせずに去りました。
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昨日は雨こそは降りませんが空は雲で被り、海風も強く波も荒い日でした。
021 震災から8年が過ぎ、大きな復興整備 はほぼ完了しております。
7月にはこの町の「波立海岸」も9年ぶりの海水浴場の開放となります。
常磐自動車道も全面開通、来年開催されるオリンピックの聖火リレーのスタートもします。
明るいニュースばかりです。のはずなのですが。。。

この町に通わせていただき初めて町の再生というものをリアルに目の当たりにしました。
「久之浜」は”被災地”という括りからは逸したのではないかと思います。
そして、今、僕が見ている町の状況は人口減少を迎え都市部集中により存続の危機に至る全国にある地方の町の様、そのものだと思います。
025 参院選に向けある政党が街頭演説を行っておりました。
「久之浜駅前ロータリーの皆さま。」と 聴衆が1人もいないこうした光景も日常のようです。
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大津波にも耐えた”秋葉神社”。
以前、花で咲き飾るプロジェクトがありました。その際のお花をドライフラワーにして僕のために取っておいてくださいました。
この神社は僕にとって他ならぬ心の信仰です。そのお花を頂けて。。。有り難や。。。

023 今回、ヘアメークシーンのお客様 皆さまからは31921円の募金をお預かりしておりました。久之浜の町にとってお役にたてていただけるようからすや食堂さんにお届けいたしました。

どんな情報もリアルタイムで入手できる時代になりました。
そんな時代だからこそ僕は”肌感”を信じます。自分の見たもの、聞いたもの、感じたもの、その感覚だけを信じていきます。
更なるスピードアップで令和は進んでいくのだと思います。
地方でしか感じることのできない本当の時間空を味わいながらこれからも流されることなく、見失うことなく、生きていきたいと思います。


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2019年5月22日 (水)

町田文学館ことばランド「お宝紹介」

  昨日の豪雨、暴風、町田駅からことばランドへの道中で靴の中までビシャビシャになっておりました。
町田ペンクラブ主催のことばランド「お宝紹介」。元・文学館館長であり現在ペンクラブ会員である守谷氏による解説とお話しでした。
ちなみにこのような畏れ多いクラブの僕は会員ではございません、こんな僕にお声いただきありがとうございました。。。

現在開催中の大日本タイポ組合展を学芸員の山端氏に一通りご解説いただきました。
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カタカナでナ・イ・キ。 コ・ー・ク。
そしてヘ・イ・セ・イ・オ・ツ・カ・レ。  おもろい。

 

その後、会議室にて守谷氏によるお宝紹介。
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とにかく興味深い貴重品の数々。
町田市ゆかりの作家さんの作品だけでなく、そうした作品に至るまでに参考にしていた作家さんの私物書、日記や手紙などまさにお宝の数々。
町田市に8年間在住していた作詞家・宮川哲史氏の生草稿の数々、教師だったということで問題用紙を作る藁半紙のようなものに書かれていました。その中の1枚「ガード下の靴磨き」。女優・宮城まり子さんはこの歌を歌うことにより障がい者施設「ねむの木学園」の創設に至ったと云われています。その伝説の生草稿が目の前に、、、。
何枚かの草稿をめくりながらペンクラブの方々が口々に「寺田さんこの歌よく歌ったな、この歌もよく歌ってたな。」
ペンクラブの会員であった元・町田市長の寺田和雄氏の歌がうまかったという伝説は聞いたことがありました。

格式のあるペンクラブの方々だからこそ許される地下1階と地下2階の重要書庫への入場。
遠藤周作氏が沈黙を書いたときの机に触れてバクバクしました。
温度と湿度を徹底管理している地下2階の最重要シークレット書庫、分厚い扉の先へはもちろん靴を脱いで入ります。
壮厳なその場所には僕の足跡だけがビチャビチャのけもの道をつくっていきます。なんてこった。
ペンクラブの方々のような品性を身につけ入会のお許しがくだるまでにまだまだ時が必要です。

町田で生まれ育ち、町田で子どもを育て営み。
それでも町田がさほど好きでもありません。
それはこれまでこの町の文化に目を背けていたからなのだと思います。
この町の何かに惹かれて多くの文化人が移り住まれて来ました。
そしてこの町から世の中を変えた数々の作品を生み出してきました。
そうした作品の数々を目の当たりにしてこの町にいたことを今更ながら誇りに思えた日でした。
40数年前、この町で生きていく決心をした両親に改めて感謝です。

町田市文学館ことばランド。かつて文化芸術の町と言われた町田市の匂いを是非、ここで味わっていただきたい。
心からそう思いました。

この素晴らしい施設の設立に尽力された元・寺田市長、作家・森村誠一氏、法政大学学長・田中優子氏 他 皆さま。
心からの感謝です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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