磐梯山への道のり
2度目の山登り、神奈川の大山を踏破、「さあ次は会津磐梯山制覇だね!」
福島で生まれた母は6人兄弟の3番目、貧しい実家の事情で中学を卒業後に茨城の看護学校で寄宿生活、一日も早く仕送りをするために准看護師として従事します。21歳で僕を出産後に正看護師の資格を取りました。その後、市立病院の看護師長を務め間もなく70歳となりますが高齢者施設で現役看護師として勤めています。とにかく弱音も痛みも見せることない強い女性でありながら、他人に対して思いやりのある母であります。
僕の誘いで山登りデビューを果たし1200mの大山を踏破した翌年、母の口から大腿骨人工関節手術を告げられたのは1か月前でした。
僕に心配をかけまいとギリギリまで黙っていたのでした。
日中の介護施設勤務も、夜の就寝も、坐薬を使い続けるほど痛かったようでした。
昨年の2月、コロナの緊急事態宣言中ということもあり、手術の立ち合いの許可は頂けませんでした。
それでも僕は駐車場で待っているだけのつもりでその病院にいました。
看護師さんがご配慮してくださり待合室へとご案内していただきました。そして。
更なるご配慮、担当医に呼ばれ手術後の報告までもご丁寧に説明いただきました。
手術前の関節のすり減った画像を見せいただき「我慢強いお母さまですね。」と。
そして手術後の関節の画像も見せ「もうこれで大丈夫です。」「何か質問ありますか?」に対し僕は
「磐梯山に登れますか?」・・・先生の笑顔でのお応えは「それは人口関節の問題ではなくお母さまのトレーニングの問題です。」
その日、全身麻酔の母とは面会はせず帰宅しましたが、麻酔から覚めた母に先生は「ご子息がどうしても術後報告を聴きたいというので本当はコロナで禁止なのに仕方なくご説明しましたよ。」と伝えていたようです。
先生、それはもりすぎですよ~。
昨日の休日、母を連れ626mの幕山へ行きました。
手術から1年3か月、不安を抱えていましたが自信を取り戻す低登山となりました。
磐梯山登頂のトレーニングがいよいよ始まります。
先月、三春町で行き着いた偶然の田部井淳子さん生誕地、その場所から川のせせらぎとともに聞こえてきたような気がする言葉
「ゆっくりでいい、人生も山登りも、まずは最初の1歩を踏み出すこと、あとは山が教えてくれるから。」
福島出身の田部井さん、齢70、福島出身の登山ビギナーの母をどうか磐梯山の頂にお導きください!
| コメント (0)